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Descrição do livro

本書を手に取ったあなたは、今まさに上司から「オルガノイドをやってみよう」と言われ たものの、何から手をつければいいのか途方に暮れているのではないでしょうか。ある いは、誰も教えてくれる人がいない環境で、研究費や今後のために、新しい実験系を 立ち上げようと孤軍奮闘しているのかもしれません。

現在、書店に並ぶオルガノイド関連の書籍といえば、『決定版 オルガノイド実験スタン ダード(羊土社)』に代表されるような、著名な先生方による素晴らしいプロトコール集 が主流です。これらの書籍は間違いなく名著であり、すでにオルガノイドの実験環境 が整っている研究者にとっては、座右の書と呼ぶにふさわしいものです。

しかし、あえて厳しいことを言わせてください。これらの良書を読んだだけで、全くのゼ ロからオルガノイド実験を始めることができるかといえば、答えは「No」と言わざるを得ま せん。

なぜなら、既存の本には「ある程度知識のある研究者への補助」としての本であって、 「実験に関しては全くの素人」に対する本ではないからです。そして、私は臨床医をし ていたので、大学院に入る時は、「実験に関しては全くの素人」でした。DNA?RNA?なにそれ?という知識は全く0の状態でしたし、上司はいましたが基礎知識0の先生 でした。

そして、そんな上司から「最近はやっているオルガノイドをやってみたいからな んとか頑張ってみよう」という軽い一言からすべてが始まりました。
・具体的に、立ち上げにいくらかかるのか?(イニシャルコストとランニングコストの現 実)
・そもそもオルガノイドってなに?
・オルガノイドでどのようなことが出来るのか?
・二次元培養の細胞とオルガノイドの違いは?
・正直、あんまり無駄なことはしたくない・・・。でも、結果は出したい・・・。

これらは、これから研究を始める大学教員や研究者や大学院生にとって、プロトコール 以上に切実な問題です。そして、最後の文章は、実験に携わる人の本音だと思いま す。

私自身、医師として大学院に入学した際、「指導医不在」の状態でオルガノイド研究を 導入することになりました。培地の組成もわからなければ、予算の相場もわからない。 そもそもオルガノイドってなに?というレベルだったので、まさに暗闇の中を手探りで進むような日々でした。しかし、試行錯誤の末に導入に成功し、そのデータを用いて無 事に大学院を卒業し、現在はその経験と実績を元に海外で研究を続けています。

海外と比べて日本では、この分野の基礎実験の普及が遅れていると言わざるを得な いのが現状です。 その最大の原因は、「技術的な難易度」ではなく、「導入への心理 的・経済的ハードルの高さ」と、「立ち上げノウハウのブラックボックス化」にあると私は 考えています。

成功しているラボのノウハウは門外不出になりがちで、これから始める人はまたゼロか ら同じ失敗を繰り返す。これでは日本の研究力は上がりません。 だからこそ、私は自 分が経験した「失敗」と、それを乗り越えた「解決策」、そして何より「いくらかかって、ど れくらい大変なのか」というリアルな数字を全て公開することにしました。

本書は、大手出版社・著名人が書くような素晴らしい良書ではありません。実験は全く の素人だけど大学院に来たからには何かやりたい・新しいことをやりたい研究者などと いった予算や時間と戦いながら、それでもデータを出したいと願うあなたのための「指 南書」です。本書を読んでオルガノイドがどのようなものか、オルガノイドを自分でも行 うことができるのかという判断に役立てますと幸いです。

本書を活用することで、あなたは無駄な出費と時間を最小限に抑え、最短距離でオル ガノイド実験のスタートラインに立つことができるはずです。 そして、厳しいかもしれま せんが、本書が書いている予算や時間が取れない場合は、オルガノイドは早々に諦 めた方がいいです。研究にとって無駄な実験・無駄なお金は最大の敵ですから。しかし、無事成功したその先にある「論文採択」や「学位取得」、さらには世界への飛躍とい うゴールへ、確実に一歩近づくことができると確信しています。

本書が、孤独な戦いを続ける皆様の研究人生の一助となることを心より願っています。


目次:

まえがき

第1章:オルガノイドについて

  • 1. そもそもオルガノイドとは?
  • 2. スフェロイドとの決定的な違い
  • 3. 医療応用への新局面(Organoid Medicine)
  • 4. オルガノイド研究の「現在地」と課題
  • 5. 未来への展望 〜Human Bio-Digital Twin〜
  • 6. 本書の立ち位置

第2章:試薬について

  • 1. 実験における二次元培養との最大の違い
  • 2. なぜお金がかかるのか 〜破産しないための見積もり〜
  • 3. マトリゲルってなに? 〜高価なドロドロの正体〜
  • 4. Wnt?IGF-1?なにそれ? 〜幹細胞の「ニッチ」を再現する〜
  • 5. 常温でもいいですか? 〜温度管理の鉄則〜

第3章 必要な武器(機材)を揃える 〜ミニマム・セットアップと落とし穴〜

  • 1. インキュベーター 〜「相部屋」の悲劇と酸素濃度〜
  • 2. 「冷却遠心機」がないと試合終了
  • 3. 顕微鏡 〜「映え」よりも「日々の生存確認」〜
  • 4. アスピレーター(吸引器) 〜最大の事故現場〜
  • 5. 冷凍庫・冷蔵庫の整理学

第4章 実践!膵癌オルガノイド樹立プロトコール

  • 1. ベースの培地を作る〜こんなに高いの~
  • 2. 可能なものは自作を~こんなに簡単にできます~
  • 3. 検体採取から樹立まで

第5章 実践!日々のメンテナンスと継代

第6章 トラブルシューティング 〜絶望からの帰還、あるいは撤退〜

  • 1. 培地が白く濁っている 〜細菌感染〜
  • 2. 培地の中に「綿毛」が浮いている 〜真菌・カビ〜
  • 3. オルガノイドの中心が「真っ黒」になっている
  • 4. オルガノイドがバラバラに崩壊していく
  • 5. マトリゲルが固まらない、または消えた

あとがき 〜孤独な戦いを始めるあなたへ〜

Número de páginas :61
Encadernação organoidkenkyuunohajimekata shirotodemodekirutatiagetounyonoriaru (Japanese Edition):Kindle
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